不動産運用からののアドバイス
課税の効果=交際費課税されて納めた法人税額は、そのままで将来とり戻すことはできません。
たとえばリベートを未払計上して税務調査で否認されても、翌期に会社が実際にリベートを支払えば損金に認められる(翌期認容)場合と大きく異なることに注意してください。
いままで述べたように、税務上の交際費は常識で考えるより広範囲でとらえています。
残念ながら、交際費課税対策の決定版はなく小さな節税策を数多く積み重ねるしかありません。
売上増加するのに、接待・贈答よりも、商品の価格競争で値引やリベートを歓迎する得意先もあるはずです。
こうした相手先に対しては値引やリベート作戦に移行していくべきでしょう。
また従来、交際費で処理していたなかには、税法が他の費目処理を認めているのに見逃しているものがあるはずです。
参考例を紹介します。
とはいっても、交際費課税対策のために会社をつくるのではなく、子会社をつくるとその副次的効果として交際費課税のメリットがあるという話です。
前述のとおり、交際費課税は資本金基準を採用し、資本金五〇〇〇万円以下の会社に対しては一定限度額まで交際費損金算入を認めています。
ところで、その接待費を使っているのが親会社の営業部であったり(いわゆる交際費のつけ回し)、本来、親会社の業務費用と考えられる交際費については、子会社が負担することは税務上認められません。
また、グループ会社全体の催しについては、各社その催しの趣旨、出席者の人数等の合理的な負担割合を定めておく必要があります。
そうすれば各社それぞれ自己負担分が交際費となります。
その際、子会社からの分担金は仮受金処理し親会社の立て替え分は立替金処理します。
ただし、招待客からの祝い金は交際費から控除するのではなく、収入に計上されますので注意してください。
さらに、販売子会社が単にペーパーカンパニーであった場合は、当然、親会社の交際費とされるだけでなく重加算税の対象にもなりかねません。
業種の特性上交際費の多いことから、都内に接待用の施設(クラブハウス)を購入し、投資目的のためだけでなく、得意先の接待や社内の接待費の削減のために使っている会社があります。
購入後発生する費用としては、銀行ローンの支払利息、減価償却費、固定資産税、什器備品費、管理費、飲食費用、電気ガス水道代、消耗品代などの諸経費があります。
このうち、最後の三つは交際費となりますが、それ以外については実際に接待のために要した費用ではないので、交際費とする必要はなく、それぞれの費目で処理できます。
なお、こうした施設や人材を自前ではなくほかから賃借している場合には家賃等の費用は交際費となります。
一般に使途秘匿金とは、交際費、機密費、販売促進費、調査費等の名目で支出した金銭等について、会社は支出の金額・内容・相手先をわかっていても、帳簿上あえて相手先を開示していない場合があります。
こうした費用についてこれまで交際費と同様に税務申告書で使途不明金として損金不算入処理がされてきました。
しかし、実際には相手先で所得として申告すべきものであって、こうした取引を放置することは、社会通念上不当な取引につながることも多く抑制すべきであるという政策的な判断から、合理的な理由がなく(逆に会社にはなんらかの理由があって)相手先を秘匿する(帳簿・証憑等に記載がない)支出については、交際費としてではなく、使途秘匿金として課税強化されています。
なお、帳簿類に相手方の氏名が記載されていても、相手方への確認を拒否した場合には、記載されていないものとして扱われるので注意が必要です。
使途秘匿金の課税は、通常の法人税額だけでなく、四〇%の法人税を追加課税するというものです。
これに地方税の影響も考えると、約九七%の税負担となります。
たとえば使途秘匿金が一〇〇〇万円あるとしますと九七〇万円の税負担(支出額とほぼ同額)となることになります。
さて、従来の使途不明金であれば会社の赤字が大きければ、課税は発生しませんでしたが、使途秘匿金の場合は赤字法人でも税負担が発生するところに特徴があります。
なお、会社の業務に関係のない支出である場合には、これも交際費ではなく支出した本人または支出した相手先の給与(役員の場合は役員賞与として損金不算入)として扱われ、受益者の所得税の問題になります。
逆に役員宛支払いとされていても実際には社外への支出である場合には使途秘匿金としてみなされます。
多額の使途秘匿金があった場合には青色申告の取り消しの問題が派生しかねません。
売上リベートは、販売促進のために多くの企業でとり入れられています。
通常は販売費として税務上損金となりますが、形こそリベートでも中身が交際費であるなど、税務調査でも問題にされやすいところです。
一方、リベートを上手に節税対策として利用している例もあります。
リベートというと、脱税事件でも話題になったように裏金を連想する方もいるかもしれません。
また、得意先の会社には内緒でそこの担当者にリベートとして金品を贈り、法律上も税務上も問題となるケースがありますが、ここでは、通常の商取引での売上リベートをとりあげます。
売上リベートは割戻とも呼ばれ、一定期間に多額また多量の取引をした得意先に対して、報奨として売上代金の一部を戻すもので売上採算上も重要な要素です。
具体的には、半期とか年間の計算期間中に一定数量(金額)を超えた売上先に対して何%かを支払う形式、主に大口の得意先に対して、建値(公表売価)で売上計上し、代金回収時にリベート分を差し引いて決済する形式、特定のキャンペーンや売上奨励のために、期間を限定し売上数量に応じて支払う形式などがあります。
売上割戻を本来の販売促進対策に加えて、税務対策としても検討しようとすると、決算直前にでも計上できること、相手への現実の支払いをなるべく遅らせること、の二つが鍵となります。
この点からポイントを整理すると次のようになります。
契約書を取り交わす=売上割戻について取引相手と契約書を取り交わしていれば、商品を販売した年度に割戻を無条件で損金に計上できます。
しかし、決算日以前に契約書を取り交わすことは、適宜、割戻を計上したい向きにはモノ足りません。
期末までに相手方へ通知する=契約書などで取引相手に劃戻の算定基準を渡していない場合は、通知書を送ったときに損金処理できます。
決算日前に当期の業績がつかめていて相手との交渉もすんでいれば、この方法で当方の計上したい金額を計上できます。
決算後に相手方に通知する=前述の二つは決算前に数字を確定する必要がありますが、この方法は、決算案を作成した段階で利益をにらみながら売上割戻額を決めることができる唯一の方法で、実務上もよく使われています。
この方法で損金処理できるためには、次の条件を満たしていることが要求されます。
リベートを支払うことが期末までに確定していること。
確定していることを示す証拠を揃えて おくことが必要。
会社内部では算定基準がすでに定めてあること=未払金に計上していること。
会社の申告書提出(事業年度終了後二ヵ月目または三ヵ月目まで)期限までに相手方に通知すること。
示継続して適用すること。
支払いを遅らせる=できることなら当座の現金の支出を避けたい場合に、相手先名義の保証金として預かり、一定期間支払いをしない方法があります。
資金に余裕がないときに有効な方法で、実際に支払うまでの金利相当分も稼ぐことができます。
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